技術提案事例

V溝加工バイトの刃先の逃げ角を変更することで長寿命化!

こちらは、先端がエッジ形状工具のため何度も再研磨を繰り返していたV加工バイトに対して、刃先の逃げ角を変更することで長寿命化を実現した技術提案事例です。

先端がエッジ形状工具のため、何度も再研磨を繰り返していた...。

今回のお客様は、V溝の加工バイトの先端がエッジ形状になっており、非常に刃の持ちが悪く、再研磨を繰り返しながら生産活動をされていました。

 

その中で、生産維持のために同形状のバイトを複数本在庫しておりました。この状況を改善したく、何とか刃物寿命を長くし、再研回数を減らせないかと弊社に相談に来られていました。

刃先の逃げ角を変更して長寿命化!

刃持ちの悪さ要因を調査したところ、お客様の刃先形状が角度の組み合わせが悪く、「付け根に向かってわずかに細くなる」形状であることがわかりました。ここに負荷が集中し破損するため、次の提案をしております。

 

刃先に幅0.5㎜/長さ1.0㎜のストレート部を作れる(付け根の肉薄部を解消する)よう、刃先の逃げ角を変更した。
中間の逃げ角を2か所,僅か3°,4°修正し、負荷に強い形状に変更した。

 

ストレート部が確保されたことにより、刃先にかかる負荷が分散され、刃物の寿命を延命することが出来た。

Point

刃物寿命が向上し、月間の再研磨回数を大幅に削減することが出来ました。

鋭角であることが切れ味の高い刃物で、寿命が長いと理解されていることがあります。
ですが、実際は切削条件である加工対象の材質,回転数や入射角など、様々な条件に合わせて最適な形状でないと、大きな負荷が生じ、「刃持ちしない」という結果になってしまいます。