技術コラム

スローアウェイチップとは?特徴から製造のポイントまで紹介

    面取りスローアウェイチップ

     

     

    スローアウェイチップ(インサート)とは、交換式の切削工具の一種であるスローアウェイ工具にとりつける「刃」のことです。

     

    普段、切削工具を使用していて

    「刃が削れて使い物にならなくなってきた。また工具を買い替えなければいけないのか…」
    「使えなくなってきた工具が増えてきて収納するスペースがあまりない…」
    「なんとなく今の工具を使用していたけどもっと適した工具があるのではないか…」

    と、思ったことはないでしょうか。

    スローアウェイチップを活用することで、買い替えのコストを抑えたり、工具の収納スペースを確保したりすることが可能となります。

    工具は加工の条件や材料などにあわせて適切な工具を選択する必要があります。
    今回は「スローアウェイチップ」に関する基本情報をお伝えいたします。

    スローアウェイチップとは?

    スローアウェイチップ(インサート)とは、切削工具の一種で、取り外し可能な刃=チップのことです。

    切削工具は、胴体と刃先から構成されています。この胴体と刃先を交換できる構成でつくられた工具をスローアウェイ工具(インサート工具)と呼び、スローアウェイ工具に使用する刃部分をスローアウェイチップといいます。

     これまでの切削工具は使用すればするほど、チップ部分が削れるため、そのたびに再研削もしくは工具の再購入が必要で、コストがかさむといった問題がありました。再研削も人がおこなう加工であることから刃先のクオリティを維持できるわけではありません。スローアウェイチップを使用することで、チップのみの購入・交換で良いため、低コストかつ刃先(チップ)も同一のクオリティを維持できることに繋がります。

     

    スローアウェイチップの特徴

    スローアウェイチップは、素材や形状、逃げ角などの点で異なります。生産現場で多く使用されるスローアウェイチップの素材を大別すると9種類です。

     

    • 多結晶ダイヤモンド焼結体
    • 多結晶CBN焼結体
    • セラミックス
    • サーメット
    • CVDコーディング超硬合金
    • 超硬合金
    • 超微粒子超硬合金
    • PVDコーディング超硬合金
    • ハイス

    なかでも、硬さや粘り強さをもっていることから超硬合金が最も使用されています。

     

    スローアウェイチップの製造方法とポイント

     切削工具用のチップは、原料を選び、型にいれ、成型し、焼成といった流れで製造されます。スローアウェイチップでは、固い粉末を用い、型によってプレスして成型をおこない製造されています。

     

     一般的にチップには、「硬さ」と「粘り強さ」が求められます。切削工具は、色々な材料を削るために用いられる工具です。すなわち、チップは加工物よりも硬い必要があるわけです。一般的に、安定した加工をおこなうには、チップは加工物より3倍以上の硬さが必要と言われています。 

     また、切削することでチップが破損してしまうと、チップ本来の役割を果たさなくなるため、切削の衝撃に耐えられる粘り強さを備えている必要があります。
     その他にも、熱への強さや熱伝導率の高さ、切りくずの排出性などもポイントです。製造にあたり、どの加工素材に対してスローアウェイ工具を検討しているのかを抑える、適切な材質を選択することが必要です。

     

    スローアウェイチップに関する製品事例

    ⅰ.溝入れスローアウェイチップ 

    溝入れチップ

    既存チップに対しプロファイル研削盤による形状変更を施し製造した事例です。削りたい形にチップを精度良く成形することにより、思い通りの加工を可能にします。

    >>詳しくはコチラ

    ⅱ.リング内径加工用スローアウェイチップ 

    リング内径加工用チップ 

    市販チップを用い製造した事例です。プロファイル研削盤による高精度な形状加工をおこなっています。

     

    >>詳しくはコチラ

    ⅲ.総型スローアウェイチップ

    総型チップ

    サーメット製の総型スローアウェイチップの事例です。外径の面取り加工で使用するものとして製造いたしました。

     

    >>詳しくはコチラ

     

    特殊工具の開発・製造のことなら、特殊超硬バイト 開発ラボまで!

    今回は、スローアウェイチップについてご紹介しました。
    工具購入のコストを抑制したり保管スペースの確保といった役割を担います。そして、材質や形など種類は豊富にあり、最低限「硬さ」と「粘り強さ」の性質を抑えておく必要がある、とお伝えさせて頂きました。

    スローアウェイチップの特徴を正しくおさえていただき、加工条件にあった適切な工具選定の参考にしていただけたらと思います。

     

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