スローアウェイチップの7つの性質
スローアウェイチップは削る刃として利用されますが、「硬い」というイメージしかもってない人がほとんどだと思います。
その他にも粘り強さ、耐熱性など他にももっとたくさん性質があります。
そこで、今回は、スローアウェイチップの性質を7つ取り上げて紹介いたします!!
スローアウェイチップに求められる性質
スローアウェイチップに求めらる条件は7つあります。
1.硬さ
2.粘り強さ
3.耐熱性
4.化学的に安定している
5.熱伝導率が高い
6.表面の摩擦係数が低い
7.成形しやすさ
上記の1~7の性質について1つずつ詳しくご説明いたします。
1.硬さ
スローアウェイチップ(インサート工具)は工作物よりも硬いことが求められます。理由は単純で、刃物が工作物より硬さの面で劣っていると、刃先が欠けたり、潰れてしまったりして、切削するという役割を失うからです 。
2.粘り強さ
粘り強さが求められる理由は、硬さが求められる理由と似ています。機械加工は回転運動と直線運動の相対運動により加工していくため、切削工具と材料は何度も接触を繰り返します。そのため、この衝撃力に耐えうる粘り強さがないと、刃先と工作物がぶつかった際、チップが折損してしまいます。スローアウェイチップが切削するという役割を失い、使用することができなくなるからです。
3.耐熱性
金属切削では、スローアウェイチップと工作物が接触する部分は800~2000°C以上の高温になっています。スローアウェイチ ップは常温で硬くても、高温時に硬さが低下してしまっては意味がありません。そのため、この高温・高圧の厳しい環境下でも、刃先硬度が低下しない、耐熱性が求められます。
4.化学的に安定している
高温、高圧状態というのは、化学反応してしまう可能性が非常に高い状態です。
スローアウェイチップの構成原子と工作物の構成原子が簡単に化学反応を起こしてしまうと、刃先状態が変化しやすくなります。その結果、溶着が発生したり、異常摩耗が進行したりして、切削抵抗が大きくなり、切れ味が極端に下がってしまいます。
5.熱伝導率が高さ
高い熱伝導性が求められるのは、工作物や材料を切削する際に発生する熱が、スローアウェイ工具に溜まると一気に高温になるため、熱を外部に素早く逃がす性質が求められます。
6.表面の摩擦係数が低い
加工において、摩擦の力が少なければ少ないほど、切削する際の抵抗が少なくなり、切りくずがスムーズに排出されます。
メリットはこれだけでなく、仕上がりの面粗さの向上にも貢献することができます。
7.成形しやすさ
成形のしやすさという条件の理由は、コスト面にあります。
スローアウェイチップは、切削する刃物でありながら、成形がしやすい(加工がしやすい)というのは、矛盾しています。
しかし、スローアウェイチップは消耗品であるため、安価に製作することは必須条件になります。
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今回は、スローアウェイチップについてご紹介しました。
スローアウェイチップは、硬さ、粘り強さ、耐熱性、化学的に安定している、熱伝導率が高さ、表根が滑らかで摩擦係数が低さ、成形しやすさなどの性質があります。
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