技術コラム

総型バイトとは?概要からメリット、当社の製品事例までご紹介します!

    切削工具材料のひとつである総型バイトは、加工時間の大幅削減を実現するだけでなく、つなぎ目のバリ解消やコストも削減するなど、たくさんの利点があります。

     

    今回は、総型バイトの概要からメリット、これから使用を検討する際のポイントをお伝えいたします。

     

    総型バイトとは?

    特殊溝総型バイト

     

    総型バイトとは、加工するもの(ワーク)とバイトの刃部(チップ)が同形状になっている工具のことを指します。

     

    例えば、複雑な形状のワークを加工したいとき、加工時間が大幅にかかってしまったり、加工に合わせて使用工具をいくつか用意しないといけないという悩みをお持ちの方もいらっしゃると思います。

     

    総型バイトはワークと同形状のため、複雑形状であっても一気に押し当てて加工を行うことができ、加工時間の短縮や工具数の削減をすることができます。

     

    また、総型バイトはワークに合わせた特殊形状の工具となるため、加工したいものの材質、形状、加工内容に合わせて製作していきます。

    そのため、製作時は図面などを用意して打ち合わせをしながら進めていくことが重要となります。

     

    総型バイトのメリットとは?

    内径仕上げ総型バイト

     

    実際に総型バイトを使用した際にどのようなメリットがあるのか、具体的にご説明いたします。

     

    総型バイトのメリットは主に3つあります。

     

    ①加工時間の大幅削減

    総型バイトはワークと同形状で一気に押し当てることができるため、一度に複数部分の加工が可能となります。

    そのため、加工時間を大幅に削減することができます。

     

    ②つなぎ目のバリ解消

    総型バイトにおける加工は溝を掘るのではなく、押し当てて行うためバリが発生しません。

    バリの発生を防ぐことで、より高精度な加工を実現することができます。

     

    ③必要な工具数削減

    1つの総型バイトで複数部分の加工が可能であるため、使用工具を削減することができます。

    ①でご説明した加工時間の大幅削減と合わせて、加工時の負担軽減につながります。

     

     

    これまで複雑形状のワークを加工する際、必要に応じて工具を用意し、加工時間がかかってしまっていた部分を、総型バイトを使用することで解消することができます。

    また、押し当て加工のため、バリが解消でき、より高品質な加工を実現できることも大きなメリットとなります。

     

     

    ここまで総型バイトの概要とメリットをご説明し、実際に総型バイトを使用したいと考えた方もいらっしゃるのではないでしょうか。

     

    次の項目では、実際に総型バイト製作を進める上でのポイントを解説いたします。

     

    総型バイト製作を進める際のポイント

    総型バイト製作

     

    ここでは、総型バイト製作を進める際のポイントをお伝えします。

     

    総型バイトの製作を進める際は「自分が行いたい加工方法」「ワークの材質」を主に意識する必要があります。

     

    ①自分が行いたい加工方法を伝える

    自分が行いたい加工方法では、溝入れなのか、外径加工なのか、R溝入れ加工なのか等を整理した上で、適切な総型バイトを製作することが重要となります。

    先述の通り、総型バイトとはワークの形状と同様の形状を持つ工具です。

    正確な加工を行うためにも、前提の加工方法を適切に伝えることが重要です。

     

     

    ②ワークの材質を確認する

    加工方法と合わせて、加工したいものの材質に合わせて製作していくことも重要です。

     

    例えば、当社では過去にクロム鋼(難削材)の溝加工のため総型バイトを製作した際は、刃物にハイス鋼を採用し、高い精度で加工できるようにしました。

     

    より高精度な加工を実現するためにも、ワーク材に合った総型バイトの製作をすることが重要となります。

     

    当社製品事例

    当社の総型バイトの事例をご紹介いたします。

     

    i.木材加工用超硬特殊総型バイト

     

    木材加工用超硬特殊総型バイト

    こちらは、超硬製木材加工用の特殊総型バイトです。

    加工後の木材がより良好な切削面になるよう工夫された総型バイトです。また、刃物が傷んできたら再研磨が可能です。

     

    加工のポイント等、詳細については下記をクリックください。

     

    >>詳しくはコチラ

    ⅱ.特殊溝総型バイト

     

    特殊溝総型バイト

    こちらは、難削材のタービンブレードの溝を一発加工する総型バイトです。

     

    難削材であるクロム鋼の溝を加工するため、ハイス鋼を採用しました。また、硬度低下を防止するために、低温でロウ付けを行っております。

     

    加工のポイント等、詳細については下記をクリックください。

     

    >>詳しくはコチラ

    当社設備情報

    総型バイトは、複雑形状や複数部分も一気に加工できるメリットがあります。

    一方で、実現したい形状に加工するためにも、より工具の精密さと精度の高さが求められる製品です。

     

    当社では、高精密・高精度を実現する設備を所有しておりますので、当社設備の中の一部をご紹介いたします。

    i.CNCプロファイル切削盤 GLS-5T

    CNCプロファイルグラインダー GLS-5T

    こちらの装置では、取り代の少ないワークでさえも、研磨することが可能で、形状が複雑な円筒研磨も対応することができます。

     

    弊社では 7 台のプロファイル研削盤を導入しており、お客さまからの依頼に応じて、様々な要望の形状、精度に対して対応いたします。 

     

    >>詳しくはコチラ

    ⅱ.高周波ロウ付装置 YHM-2266

    高周波ロウ付装置 YHM-2266

    特殊超硬バイト 開発ラボでは、こちらの高周波ロウ付装置 YHM-2266を用いて、特殊切削工具などのロウ付けを行っております。

     

    低温ロウ付け技術の確立により、ハイスロウ付も得意としております。

    当社の設備動画もございますので、ぜひ下記リンクよりご覧ください。

     

    >>詳しくはコチラ

                                     

    >>設備情報一覧はこちら

    特殊工具の開発・製造のことなら、特殊超硬バイト 開発ラボまで!

    今回は、総型バイトの概要からメリット、これから使用を検討する際のポイントをお伝えしました。

    特殊超硬バイト 開発ラボでは、総型バイトにつきましても数々の実績があります。

    お困りの場合は、ぜひ、ご連絡ください。

     

    特殊超硬バイト 開発ラボでは、高品質工具、複雑形状、長寿命な「きれもの」づくり、そして「まごころ」をこめて1つ1つ丁寧に特殊バイトを製造・開発してきました。創業60年の歴史と経験から得られる実績と高い技術力を有しています。

     

    ロウ付バイト・総型バイト、成型バイト・溝入れ丸バイト、スロッターバイト、ヘール加工バイト、スローアウェイチップ、成型チップ・総型チップ、特殊スローアウェイチップ、ハイススローアウェイチップ、カッター刃・切断刃、粉砕刃・固定刃・回転刃、パンチ・ダイス・スリッター、ロール・センタレスブレード、コイリングピン・ワイヤー線ガイド、接点・電極・耐磨耗部品 など幅広く対応、記載がないご依頼も柔軟に対応いたします。

     

    「どこに工具製作を頼んだらいいかわからない」
    「時間・工数が合わない」
    「コストがあわない」
    「対応可能な会社が見つからず困っている」

    上記のようなお悩みをお持ちの方は是非当社に一度ご相談ください。