技術コラム

インサート工具の呼び方 複雑な記号の意味を解説します!

     インサート工具は、スローアウェイチップとも呼ばれている刃先交換式チップのことです。

    用途によって、形や厚み、切れ刃、ノーズRなどが違い、それぞれ、呼び方のルールがあります。

     ただ種類が多いうえ、10桁程度のアルファベットと数字の組み合わせで、よくわからないという声も

    よく聞きます。今回は、呼び方のルールを説明します。

     

    例えば、この菱形のインサートは・・・・

    インサート呼び記号

     

     

    正方形のこのインサート工具の呼び方は・・・・

    インサート呼び記号

     

     

    インサートの呼び記号の内容

    ①形状・・・・・インサートの基本形状を記号化したものです。

     

      A形状記号

     

     

    ②逃げ角・・・・・チップの主切刃に対する逃げ角の大きさを記号化したものです。

     逃げ角0°のものをネガティブチップ(N)、その他のものは、ポジティブチップと呼びます。

     

      B逃げ角記号

     

     

    ③等級(精度)・・・・・寸法精度を記号化したものです。

     A~Gまでは研磨級チップ。J~はプレス級チップ(部分的に研磨の場合もある)になります。

     一般的なチップは、M級(プレス級・3次元ブレーカー)、G級、E級(研磨級・研磨ブレーカー)が多いです。

     

      等級

     

    ④溝・穴・・・・・チップの上下面の溝(ブレーカー)の有無、取付穴の有無および穴の形状を記号化したものです。

     穴無しチップは押えゴマやクサビでクランプし、円筒穴は偏芯ピンやレバーでクランプします。

    一部 (円筒穴)+(面取り)は皿ネジ等でクランプします。

      t溝穴記号

     

    ⑤切刃長さ・内接円・・・・・切刃長さと内接円の直径を記号化したものです。

     チップの大きさがわかります。

      T⑤切刃長記号  

    ⑥厚さ・・・・・チップの厚さを記号化したものです。

     ただ、ここでいう厚さとは、底面と切刃最高部との高さのことなので、形によっては注意が必要です。

      厚さ記号 図

     

    T厚さ記号

     

    ⑦刃先ノーズR・・・・・チップのコーナー半径の大きさです。

     

      コーナー半径記号

     

    ⑧主切刃形状・・・・・チップの主切刃の状態、いわゆるホーニングについて記号化したものです。

     これは任意記号になります。

      主切刃形状

     

    ⑨勝手・・・・・チップの勝手を表す記号です。

     チップの刃先を自分に向け、切れ刃が右にあれば右勝手、左にあれば左勝手です。これも任意記号です。

     

      勝手記号

     

    ⑩補足・・・・・チップメーカーが必要に応じて追加できる記号です。

     ブレーカーの形状記号などに使われたりします。

     

     

    <<スローアウェイチップのメリットとデメリット>>

     

    <<スローアウェイチップの7つの性質>>

     

     

     このように、インサート工具にはたくさんの種類があります。

    用途によって適切に使い分ける必要があります。

     工具材種や特殊インサートの選定につきまして、お困りごとがありましたら、

    ぜひ 【特殊超硬バイト 開発ラボ】にご相談ください。

    開発ラボ 特殊インサート工具の事例 

    弊社では、ベストの材質を選定して、総型バイト・切断カッター・スローアウェイチップ・パンチ等、様々なオリジナル工具を、60年の技術とノウハウで数多く手掛けています。

    5,アリ溝入れチップ

    ■ アリ溝入れチップ

      複雑な溝形状(アリ溝)を加工するフォームドチップ・・・

     <刃物特性>

    プロファイル研削盤の細い砥石にて、高精度に仕上・・・

      <加工ポイント> 

    1) 先端Rを高精度で且つ・・・

    2) アリ溝の特徴となる細首部の幅精度・・

    3) 3段階で逃げ角を設置、剛性を ・・・

    >>詳しくはコチラ

    外径削りフォームドチップ

    ■ 外径削りフォームドチップ

      外径部にある複雑な溝形状を一度に加工する総型・・・

    <刃物特性>

      高いプロファイル研磨技術により、段差を生じさせ・・・

     <加工ポイント>

    1) 総型として型取りされた形状を・・・

    2) 段差無し(2μm以下) ・・・

    3) 追加工による「高機能化」改造 ・・・

    >>詳しくはコチラ

    面取り付き溝入れチップ

    ■面取り付き溝入れチップ

    溝加工と同時に面取りを実施できる・・・

    <刃物特性>

    面取りを同時に行うことで、バリ取りの工程もいらなくなる、省力化工具・・・

      <加工ポイント> 

    1)  溝入れ加工部に45°の角度を付与・・・

    2)  ブレーカーの形状も自由に・・・

    3)  自動測定センサーにて再現性を・・・

    >>詳しくはコチラ

    総型チップ

    ■ 総型スローアウェイチップ

    サーメット製の総型スローアウェイチップ

     <工具特性>

      外径の面取り加工を行う刃物。ワークに押し当て「複雑な形状を一発加工」出来る刃物 ・・・

     <加工ポイント>

    1) カケやすいサーメットの研磨は、湿式のプロファイル研削 ・・・

    2) 総型として型取りされた形状を実現する ・・・

    3) 4か所が同じ仕上がりで ・・・

    >>詳しくはコチラ

     

     

    <<特殊スローアウェイチップの製作事例一覧はこちら>>

     

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